2018年3月日銀短観予想

製造業に変調の兆しが出始める可能性

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2018年03月20日

  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 小林 俊介

サマリー

◆4月2日に公表予定の2018年3月日銀短観において、大企業製造業の業況判断DI(最近)は25%pt(前回調査からの変化幅:0pt)、大企業非製造業の業況判断DI(最近)は25%pt(同:+2pt)と予想した。なお、円高進行の影響に関しては、為替ヘッジによって当面影響を抑えられる企業が少なくないことから、3月日銀短観では円高進行の影響が一定程度緩和されるとみている。

◆大企業製造業の業況判断DIは、これまでの改善ペースが速かった反動がマイナスに作用することや、足下の輸出と生産の弱さ、さらには2017年末以降の円高進行を受けて、横ばいになると予想した。大企業非製造業は、堅調なインバウンド需要や、運送料と郵便料金の値上げの動きなどに支えられ、3四半期ぶりに改善すると予想した。

◆2017年度の設備投資計画(全規模全産業、含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は前年度比+6.0%と、前回の12月短観(同+6.3%)から下方修正されると予想した。前年度比や修正パターンを総じてみると、3月短観で見る日本企業の設備投資計画は堅調な内容になると想定している。2018年度の設備投資計画(全規模全産業)は前年度比▲5.1%とマイナス成長を予想する。ただし、このマイナス幅自体は概ね例年並みになると想定した。

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