サマリー
◆ユーロ圏の2023年7-9月期の実質GDP成長率(改定値)は前期比▲0.1%(前期比年率▲0.2%)と、3四半期ぶりのマイナス成長となった。マイナス幅自体は非常に小幅であるものの、プラス成長であった年前半のプラス幅も小さかったことから、ユーロ圏経済は足元1年間、ほぼゼロ成長で推移している。
◆景況感指数などを見る限り、ユーロ圏経済は10-12月期に入ってからも停滞が続いている。だが一方、これまでユーロ圏経済の大きな悩みとなっていたインフレ率が速いペースで鈍化していることは、ユーロ圏経済にとっての好材料である。
◆インフレ率の想定以上の鈍化を受けて、金融市場ではECBが利下げに転じるタイミングへの注目度が高まっている。もっとも、賃金上昇率の高止まりや家計の期待インフレ率の上昇などから、インフレ率の高止まりに対する懸念は完全には払拭されていない。
◆ECBはなおも残るインフレ上振れリスクを見極めたいと考えられ、ラガルド総裁が発言した通り、「今後数四半期(next couple of quarters)」は政策金利を据え置く可能性が高い。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
「トランプ関税2.0」による日本経済への影響試算
中間財の出荷減や米国等の景気悪化で日本の実質GDPは最大▲1.4%
2024年12月18日
-
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算(第3版)
様々な物価・賃金指標を用いる案および住民税分離案を検証
2024年12月04日
-
長寿化で増える認知症者の金融資産残高の将来推計
金融犯罪を含む金融面の課題やリスクへの対応も重要
2024年12月20日
-
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
「トランプ関税2.0」による日本経済への影響試算
中間財の出荷減や米国等の景気悪化で日本の実質GDPは最大▲1.4%
2024年12月18日
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算(第3版)
様々な物価・賃金指標を用いる案および住民税分離案を検証
2024年12月04日
長寿化で増える認知症者の金融資産残高の将来推計
金融犯罪を含む金融面の課題やリスクへの対応も重要
2024年12月20日
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日