サマリー
◆最新の世界経済見通しでIMFが米国の成長予想を下方修正、ユーロ圏、中国を上方修正したように、世界経済の牽引役が米国から他の地域・国へ移行しつつある。景気循環的に成熟化が進む米国への依存度が薄まることは望ましい。
◆米国の内政の迷走などによって、同国経済の顕著な成長加速の可能性はほとんどなくなった。しかし、現段階の米国における財政刺激策は、成長率を短期的に高める一方で、景気拡大期間を短期化させるリスクがある。オーバーキルや資産価格の急落、新興国からの資本逃避といった良からぬシナリオの実現可能性は、むしろトランプ政策の不発によって低下しているのである。世界経済の「トランプ離れ」が進む中で、緩やかな世界経済の拡大を阻害する懸念材料は減っているとみなせよう。
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