サマリー
◆2025年のASEAN5(インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)経済は、外需が好調であったことと金融緩和・財政出動に内需が支えられたことで、堅調に推移した。2026年は、外需が足かせとなって、一部の国の成長率が2025年と比べて鈍化する可能性が高い。ただし、積極財政が内需を支えることで、大きく落ち込むことはないだろう。
◆2026年に外需の影響を大きく受けやすいのは、2025年3月以降、対米輸出を大きく増加させてきたベトナムとタイである。輸出のけん引役となった携帯電話・部品や自動データ処理機械に対し、トランプ政権が製品別関税を課せば、輸出の落ち込みは非常に大きくなるだろう。インドネシアに関しては、太陽光電池モジュールに対する米国の反ダンピング関税等に注意を要する。
◆2026年のASEAN5の利下げ余地は限定的である。インドネシア、フィリピン、タイで0.25%pt程度の利下げを見込む一方、ベトナムとマレーシアは据え置きを予想している。金融政策以上に、内需喚起策として期待されているのが財政出動である。内需の弱さが目立つインドネシアとタイでは、特に積極的な景気刺激策を行う見通しである。各国の財政・債務状況は悪くなく、財政出動がソブリンリスクを引き起こす可能性はほぼない。ただし、「中央銀行の独立性」に対する懸念が高まるインドネシアには注意が必要である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
「中所得国の罠」回避のカギは?
~アジアの前例からベトナムへのインプリケーション~『大和総研調査季報』2026年春季号(Vol.62)掲載
2026年04月24日
-
原油高・リスクオフ下での新興国の耐性は
脆弱性が最も懸念されるのは南ア。耐性が高いのはブラジル
2026年04月06日
-
インド2026年度予算案:インフラ投資に軸足を移す
戦略的自律性を意識した攻めの姿勢を評価。債務管理を注視
2026年02月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
-
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
-
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

