サマリー
◆トランプ氏の経済政策の方向性は、相当な幅を持ってみる必要があろうが、所得税減税、法人税減税などの実現に向けたハードルは比較的低い。これらは着実に財政赤字を増やそうが、新興国へのインパクトは、これがもたらすドル金利の上昇という悪材料を、米国経済の拡大がどの程度相殺するかで決まる。
◆財政出動が米国経済の拡大に貢献すれば、新興国もその恩恵を受けるし、米国主導の世界経済の安定・拡大が金融市場におけるリスク・オフの防波堤となる。しかし、完全雇用に近い同国における拡張財政が、単に格差拡大の助長に終わり、景気加速が実現しない場合、新興国とすれば利益を生まない金利上昇のみが残る。結局、新興国へのトランプ・インパクトは、ネットでマイナスが残る可能性が高い。
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