新興国マンスリー(2016年12月)新興国へのトランプ・インパクト

~景気・金利・リスク選好のバランスは?~

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2016年12月05日

  • 児玉 卓
  • 経済調査部 経済調査部長 齋藤 尚登
  • 山崎 加津子
  • 経済調査部 主任研究員 新田 尭之
  • 永井 寛之

サマリー

◆トランプ氏の経済政策の方向性は、相当な幅を持ってみる必要があろうが、所得税減税、法人税減税などの実現に向けたハードルは比較的低い。これらは着実に財政赤字を増やそうが、新興国へのインパクトは、これがもたらすドル金利の上昇という悪材料を、米国経済の拡大がどの程度相殺するかで決まる。


◆財政出動が米国経済の拡大に貢献すれば、新興国もその恩恵を受けるし、米国主導の世界経済の安定・拡大が金融市場におけるリスク・オフの防波堤となる。しかし、完全雇用に近い同国における拡張財政が、単に格差拡大の助長に終わり、景気加速が実現しない場合、新興国とすれば利益を生まない金利上昇のみが残る。結局、新興国へのトランプ・インパクトは、ネットでマイナスが残る可能性が高い。

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