サマリー
◆各主要新興国の1-3月期のGDP統計はまちまちながら、同じく製造業立国を中心とした地域であるアジアと中東欧を比較すると、後者の強さが目立つ。アジアの劣位の中心にあったのは、中国経済の不振であろう。中国の1-3月期の輸入数量は前年比▲13.1%減少している。そしてアジアには対中輸出の総輸出に占めるシェアが二桁に達する国が多い。これが昨年来の原油等資源価格急落のメリットを打ち消してしまった。
◆今後、アジア等製造業主体の国・地域にとって、資源価格下落のメリットは薄れていく。そうした中で中国経済の減速が止まらなければ、周辺アジア諸国の景気停滞感が強まる可能性がある。その際気がかりなのは、米国の利上げのタイミングが、アジアを一層の苦境に追い込む可能性がないかである。
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