サマリー
◆習近平国家主席が提唱した一帯一路は10周年を迎えた。その経済効果には、マイナス面も目立っている。持続可能性を考慮しない中国からの融資への返済が一因となり、一部の低所得国では債務危機が発生した。一方で、一帯一路をテコに、中国の政治的・外交的プレゼンスは拡大している。
◆米中対立が契機となり、米国を中心とする西側諸国と、中国を中心とする発展途上国との間で、将来的には世界経済のブロック化が懸念される。その回避には、デリスキングを経済安全保障の分野に限定し、大多数の分野では自由貿易体制を維持することが肝要だと思われる。
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