サマリー
◆中国当局は、2012年4月3日に、QFIIの投資認可額上限を従来の300億米ドルから800億米ドルに拡大すると発表した。投資上限拡大により、QFII資格と投資額の認可ペースが加速すると期待される。
◆今回の投資認可額上限800億米ドルが全て使用され、現在のA株の資産構成比74.5%が維持されるとの前提でも、A株流通時価総額に占めるQFIIの保有比率は3.6%程度にしかならない。当局は、QFIIがファンダメンタルズに基づく長期投資を行い、上場会社の質的向上にも貢献していると評価するが、その効果を最大限発揮させるには、さらに多くのQFIIによる投資が不可欠である。
◆域外で保有される人民元を中国の証券金融商品に投資するRQFIIの投資認可額上限は、200億元から700億元に拡大される。人民元貿易決済などで、域外で保有される人民元は急増しており、運用手段の一つを提供することがRQFIIの目的である。人民元の「周辺化」の動きは加速しようとしている。
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