2026年09月18日
サマリー
◆2026年8月末時点で、TOPIX500企業(主要企業)のうち334社が、有価証券報告書の「配当政策」に比率目標を掲げている。比率目標を掲げる企業は全体の7割に迫り、過去10年間では約25%pt上昇している。
◆目標を引き上げる企業や、新たに導入する企業が他社平均より高い目標を掲げるケースが多いため、比率目標の平均値や中央値は上昇している。2025年度の平均値は、配当性向が38.7%(中央値:40.0%)、総還元性向が55.1%(同50.0%)、DOEが3.9%(同3.5%)となった。
◆主要企業の業績が増益基調にある中、業績連動性が相対的に低い「株主資本配当率(Dividend on equity ratio:DOE)」と、1株あたり年間配当金を前期の水準以上とする「累進配当」を採用する企業が増えている。業績連動性が相対的に高い配当性向や総還元性向と組み合わせることで、投資家にとっては、業績が拡大した場合の配当の上振れと、業績が悪化した場合の減配リスクの限定の両面に対応できる点がメリットとなろう。
◆業種別の採用率では、DOEは輸送用機器(47%)、化学(34%)、機械(33%)、累進配当では卸売業(38%)、銀行業(31%)、食料品(26%)が相対的に高い。これまでの採用傾向や方針の特性に鑑みると、DOEは重化学工業、景気敏感(シクリカル)セクター、外需・輸出関連セクターで、累進配当や1株あたり配当金の下限は内需関連セクターで、導入の検討が進む可能性があろう。
◆一方、株主還元が強化されるにつれ、企業価値を高める成長戦略に対する投資家の関心が高まると予想される。資本コストや株価を意識した経営が求められる中、稼いだキャッシュを何に充当するか(キャッシュアロケーション)といった情報に対する注目度や重要度は、今後一層高まると考える。
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