サマリー
◆今回のFOMCでは、約3年ぶりとなる0.25%ptの利上げが決定された。ジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長が、インフレ率が大幅に減速しない場合の利上げの可能性に言及していたことに加え、その後に公表されたCPIやPPIも高止まりしていたことから、市場にとってサプライズではなかった。今回の会合で注目されたのは利上げそのものではなく、FRBが今後どの程度の追加利上げを想定しているのかという点であった。ウォーシュ議長は引き続きフォワードガイダンスを回避したものの、「基調インフレが明確かつ十分な速さで目標に向かっていると確信できなければならない」と強調しており、インフレの減速が不十分な場合には追加利上げを行う姿勢を示した。
◆今回のFOMCで公表されたSEP(経済見通し)とドットチャート(金利見通し)を見ると、FOMC参加者は景気と雇用の見通しを引き上げ、インフレ見通しも上方修正した。ドットチャートの中央値では、2026年内に今回を含めて合計0.50%ptの利上げを実施した後、2027年は据え置く姿が示された。
◆今後の利上げペースはインフレ動向次第となる。今回公表された見通しに整合的なペースで物価を減速させるためには、PCE価格指数、コアPCE価格指数ともに前月比ベースでこれまで以上のペースダウンが必要となる。9月末に予定される統計手法の変更によって下方修正が見込まれることは一定の追い風となるものの、それだけで十分とは言い難い。仮にインフレ率が見通し対比で高止まりすれば、利上げのペースはドットチャートの中央値を上回る可能性がある。
◆先行きを考えるうえでは、物価の構成要因をどう評価するかが重要となる。関税引き上げ効果が峠を越し始めた兆しやドル高による輸入価格の抑制はインフレ率の低下を後押しし得る一方、原油価格は7月以降に上昇基調へ転じており、中東情勢を巡る不確実性もなお大きい。エネルギー価格を含むPCE価格指数がFOMC参加者の想定するペースで減速するかは見通しにくく、今後の金融政策は、インフレの基調を示すコアPCE価格指数の改善を重視するのか、それともエネルギー価格を含むPCE価格指数全体の高止まりを重視するのかによっても左右される。
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