2026年07月13日
サマリー
◆「ベンチャーキャピタルにおいて推奨・期待される事項」(VCRHs)は、金融庁・経済産業省の共催による「ベンチャーキャピタルに関する有識者会議」が、国内外の機関投資家からの資金供給の拡大およびスタートアップエコシステムの発展を目的として、2024年10月に策定したベンチャーキャピタル(VC)向けの指針である。策定後、一定の普及は見られるものの、VCによる活用は未だ限定的である。そこで、2026年6月18日に開催された同有識者会議(第4回)では、VC業界をめぐる環境変化も踏まえたVCRHsの改訂案が提示・議論された。
◆推奨される事項の見直しでは、ファンド運営管理者(GP)の受託者責任の深化として、投資先企業のコンプライアンスを含む経営状況の把握やデューデリジェンスの徹底が求められるとともに、ハラスメント対応の制度整備や利益相反管理の強化が追記された。また、GPが差別化戦略やリスク・リターン設計を明確にした投資方針を策定し、ファンドへの投資者(LP)に分かりやすく説明することを推奨する項目も新設された。期待される事項の見直しでは、スタートアップとの投資契約の適正化やVCによる経営支援の高度化、M&Aやセカンダリーを含む出口戦略の多様化が強調された。さらに、その他の見直しとして、VCRHsの非機関投資家LPへの適用拡大も示された。
◆VCRHsの改訂により、VCのガバナンス強化と投資魅力向上が期待される一方、実効性確保や新興VCの負担軽減などが今後の課題となる。改訂案は、第4回有識者会議における議論を踏まえて取りまとめられた後、パブリックコメントに付される予定となっている。パブリックコメントの結果を反映した上で、2026年秋頃に改訂版が公表される見込みである。
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