9月日銀短観から読み解く企業の資金繰り

企業金融関連DIは引き続き改善

RSS

サマリー

◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2013年9月調査結果が発表された。企業金融関連では、資金繰り判断DIが前回調査から1%ptプラス、金融機関の貸出態度判断DIが1%ptプラスとなった。業種や企業規模にかかわらず、全般的に改善がみられる。


◆背景としては、業況判断の改善に伴い、企業の資金繰りも安定していること、また金融機関が貸出を積極化していることが考えられる。また、社債発行や株式増資など、資本市場からの資金調達が堅調であることも、資金繰り判断DIの改善要因となっていよう。


◆借入金利水準判断DIは-2%pt(最近)と前回調査から1%ptマイナスとなった。5月から6月にかけて0.8%台まで上昇していた10年国債の金利も、足元では0.6%台まで低下しており、貸出金利も安定して推移したことが背景とみられる。また、同DI(先行き)も前回調査から低下しており、金利先高感は緩和している。


◆企業の資金繰り環境は当面安定した状況が続くことが見込まれるが、10月中旬に山場を迎えることが想定される米国の債務上限引き上げ問題など、海外の動向はリスク要因として認識しておくべきであろう。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート