2013年10月03日
サマリー
◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2013年9月調査結果が発表された。企業金融関連では、資金繰り判断DIが前回調査から1%ptプラス、金融機関の貸出態度判断DIが1%ptプラスとなった。業種や企業規模にかかわらず、全般的に改善がみられる。
◆背景としては、業況判断の改善に伴い、企業の資金繰りも安定していること、また金融機関が貸出を積極化していることが考えられる。また、社債発行や株式増資など、資本市場からの資金調達が堅調であることも、資金繰り判断DIの改善要因となっていよう。
◆借入金利水準判断DIは-2%pt(最近)と前回調査から1%ptマイナスとなった。5月から6月にかけて0.8%台まで上昇していた10年国債の金利も、足元では0.6%台まで低下しており、貸出金利も安定して推移したことが背景とみられる。また、同DI(先行き)も前回調査から低下しており、金利先高感は緩和している。
◆企業の資金繰り環境は当面安定した状況が続くことが見込まれるが、10月中旬に山場を迎えることが想定される米国の債務上限引き上げ問題など、海外の動向はリスク要因として認識しておくべきであろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
6月日銀短観から読み解く企業の資金繰り
全体的に資金繰り環境は改善、中小企業金融支援策はいよいよ縮小か
2012年07月03日
-
3月日銀短観から読み解く企業の資金繰り
次回調査では不動産向け貸出姿勢に変化が出るかに注目
2017年04月04日
-
12月日銀短観から読み解く企業の資金繰り
業況悪化により企業金融関連にも悪化の兆し
2012年12月14日
-
3月日銀短観から読み解く企業の資金繰り
次回調査では不動産向け貸出姿勢に変化が出るかに注目
2017年04月04日
-
6月日銀短観から読み解く企業の資金繰り
全体的に資金繰り環境は改善、中小企業金融支援策はいよいよ縮小か
2012年07月03日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
ソフトウェア投資の拡大は今後も続くのか
求められるIT人材の育成、中小企業への支援、行政のデジタル化
2024年04月25日
-
中国経済見通し:名目<実質、実感なき景気堅調
不動産不況に一段の長期化の懸念
2024年04月25日
-
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
大手生保は中長期の事業環境の変化に対応できるか
~本格化するビジネスモデル変革~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
複眼的思考へのヒント
2024年04月24日
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日