3月日銀短観から読み解く企業の資金繰り

次回調査では不動産向け貸出姿勢に変化が出るかに注目

RSS

サマリー

◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2017年3月調査結果が発表された。企業金融関連DIは、資金繰り判断DIが前回調査から1%pt高い16%pt、金融機関の貸出態度判断DIが前回調査と同じ24%ptであった。借入金利水準判断DIは前回調査から6%pt高い-9%pt(最近)となった。借入金利水準判断DI(先行き)は2%ptであり、市中金利の上昇とともに、借入金利の上昇を予想する企業が増加しているようだ。


◆企業金融関連DIは高水準が続いている。堅調な企業業績と、積極的な金融機関の貸出姿勢により、企業の資金繰り環境は引き続き良好である。


◆金融庁や日銀は、不動産向け貸出が増加していることに懸念を抱いているようだ。次回以降の日銀短観では不動産業などに対する金融機関の貸出姿勢が変化してくるかに注目したい。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート