2012年07月03日
サマリー
◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(2012年6月)が発表された。当該調査の企業金融の項目をみると、企業の資金繰り判断DIは4%pt、金融機関の貸出態度判断DIは9%ptと、どちらも前回の3月調査から2%ptのプラスとなり、企業の資金繰り環境の改善が窺える結果となった。借入金利水準判断DI(最近)は-6%ptと前回から2%ptマイナスとなった。
◆全般的に企業の資金繰り環境の改善が確認できる内容であった。売上高計画が前回調査時より上方修正されており、企業の資金繰りに対する見通しに好影響を与えているものと考えられる。
◆企業規模別にみると、大企業より中堅企業・中小企業の改善幅の方が大きく、各種の中小企業金融支援策が浸透してきていることが窺える。また、堅調な復興関連需要などを背景に、特に非製造業に改善がみられた。
◆2012年6月に行われた府省庁版事業仕分け(行政レビュー)において、中小企業金融支援策に対して「抜本的改善」との評価が下された。具体的にはセーフティネット保証について2012年度後半に指定業種を見直すことが挙げられている。2013年3月末には複数の中小企業金融支援策が期限切れを迎える。2012年後半から2013年にかけ、ソフトランディングできるよう慎重な舵取りが求められる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年上半期の配当方針等の変更と株価
減益予想が増えるも、累進配当やDOE採用による増配効果が下支え
2025年07月03日
-
CGコードの見直しで会社の現預金保有に焦点
現預金の必要以上の積み増しについて検証・説明責任の明確化を検討
2025年06月24日
-
グロース市場改革を企業はどう捉えているか
投資家ニーズを汲み上げ、株価を意識的にデザインする必要性
2025年06月13日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日