反対3名で日銀は金利据え置きを決定

政策委員の投票行動による政策変更のシグナル

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サマリー

◆日本銀行(以下、日銀)は2026年4月27・28日に行われた金融政策決定会合において、政策金利を0.75%で据え置くことを決定した。今回の会合においてややサプライズであったのが、政策委員会委員のうち3名が、利上げが適切との見方を示し、反対票を投じたことである。

◆決定会合における投票行動を公表することも日銀と市場のコミュニケーションの一つだ。2003年1月以降、金融市場調節方針に対する投票を確認すると、議長案に対して3名以上の反対があり、なおかつ、政策変更が行われなかった事例は2007年1月を除いて一度もない。反対が3名以上というのが政策決定において重要な意味を持つことが示唆される。

◆4月28日に公表された「経済・物価情勢の展望(2026年4月)【基本的見解】」によれば、経済見通しの下振れリスク、物価見通しの上振れリスクがともに高まることも考えられるとしつつ、とくに、物価上昇率が大きく上振れていくリスクが顕在化することを警戒する内容だった。物価見通しについて、各政策委員が考えるリスクバランスの分布を確認すると、2026・27年度は上振れリスクが大きいと考える委員が多い。

◆こうしたことから、次回6月会合では、物価の上振れリスクを抑えるために、利上げが行われる蓋然性が高い。ただし、次回会合は6月15・16日に予定されており、約1カ月半の期間が空くことになる。その間に、中東情勢や、金融市場に劇的な変化がある可能性も否定できない。引き続き情勢を注視する必要がある。

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