12月日銀短観から読み解く企業の資金繰り

業況悪化により企業金融関連にも悪化の兆し

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サマリー

◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2012年12月調査結果が発表された。企業金融関連では、資金繰り判断DI、金融機関の貸出態度判断DIは前回調査から横ばい、借入金利水準判断DIは1%ptマイナスとなった。


◆しかし、企業規模別にみると、中堅・中小企業の資金繰り判断DIには悪化がみられ、産業別にみても製造業・非製造業ともに悪化がみられる。業況感の悪化により、資金繰りに対して厳しい見方をする企業が増えている可能性がある。


◆2012年10月末でセーフティネット保証(第5号)の全業種指定が終了し、また2013年3月末には中小企業金融円滑化法の失効も控えているが、金融機関の貸出態度判断DIを見る限り、大きな影響が出ている様子はみられない。


◆2007年の金融危機を境に残高の減少が続いていた私募債だが、この数か月は利用に増加傾向がみられる。借入金利の先高観はみられないものの、長期の資金調達手段として、改めて私募債のメリットが見直されている可能性があろう。

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