2012年12月14日
サマリー
◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2012年12月調査結果が発表された。企業金融関連では、資金繰り判断DI、金融機関の貸出態度判断DIは前回調査から横ばい、借入金利水準判断DIは1%ptマイナスとなった。
◆しかし、企業規模別にみると、中堅・中小企業の資金繰り判断DIには悪化がみられ、産業別にみても製造業・非製造業ともに悪化がみられる。業況感の悪化により、資金繰りに対して厳しい見方をする企業が増えている可能性がある。
◆2012年10月末でセーフティネット保証(第5号)の全業種指定が終了し、また2013年3月末には中小企業金融円滑化法の失効も控えているが、金融機関の貸出態度判断DIを見る限り、大きな影響が出ている様子はみられない。
◆2007年の金融危機を境に残高の減少が続いていた私募債だが、この数か月は利用に増加傾向がみられる。借入金利の先高観はみられないものの、長期の資金調達手段として、改めて私募債のメリットが見直されている可能性があろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
9月日銀短観から読み解く企業の資金繰り
業況悪化も企業金融関連は変化なし。景気減速と中小の資金繰りに注意。
2012年10月02日
-
6月日銀短観から読み解く企業の資金繰り
全体的に資金繰り環境は改善、中小企業金融支援策はいよいよ縮小か
2012年07月03日
同じカテゴリの最新レポート
-
大和のクリプトナビ No.5 2025年10月以降のビットコイン急落の背景
ピークから最大35%下落。相場を支えた主体の買い鈍化等が背景か
2025年12月10日
-
他市場にも波及する?スタンダード市場改革
少数株主保護や上場の責務が問われると広範に影響する可能性も
2025年12月03日
-
CGコードでの現預金保有の検証に対する上場会社の懸念
一見対立しているようだが、通底する投資家と会社側の意見
2025年11月07日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

