中国:デジタル人民元の国際化を後押しするmBridgeプロジェクトとは

ブロックチェーン上で進む「米ドル依存脱却」への布石

RSS

サマリー

◆ブロックチェーン技術の登場は、米ドル依存脱却と人民元国際化を模索する中国に、デジタル人民元を用いた新たな決済経路という選択肢をもたらしつつある。

◆中国が積極的に進めているmBridgeは、中国、タイ、UAE、サウジアラビアの中央銀行と香港・マカオの金融管理局が参加し、独自に開発されたブロックチェーン上で中央銀行デジタル通貨を取引するクロスボーダー決済ネットワークである。各国・地域が共通で取引台帳を管理するため、決済を制御する権限が特定の国に集中しにくい仕組みとなっている。また、決済効率の向上と通貨主権の維持の両立を図る設計となっている。

◆中国政府の発表によると、2025年11月末までにmBridge上で行われた取引の累計金額は人民元換算で3,872億元であり、うち約95.3%がデジタル人民元建てとなっている。mBridgeプロジェクトは今後も従来の銀行ネットワークに代わるクロスボーダー決済手段を必要とする国を取り込んでいくとみられる。取引シェアは今後変化していく可能性があるものの、mBridge上で先行して支配的なシェアを獲得することはデジタル人民元の国際化という目標を掲げる中国当局にとって大きな意義を持つといえよう。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート

同じカテゴリの最新レポート