2023年07月20日
サマリー
本稿では、CBDC及びホールセール型CBDC(以下、wCBDC)を用いたクロスボーダー決済の仕組みを整理し、その導入に伴う各種影響や主体別のメリットとデメリットを確認する。さらに、代表的な国際プロジェクトを概観した上で、CBDCを用いたクロスボーダー決済の今後の課題などについて検討した。
wCBDCを活用したクロスボーダー決済ネットワークの構想は、そのデザインの如何によって、安全性、効率性が大きく変化し、メリットとデメリットの両方をもたらし得る。
現在進行中のプロジェクトはいずれも現時点で実用化されるか不確実だが、真に利便性の高い設計となった場合、クロスボーダー決済の在り方に大きな変革をもたらす可能性がある。また、クロスボーダー決済の効率化のみならず、新たなビジネスの機会を生み出す可能性も備えている。
こうした中、日本は国際的なプロジェクトの動向を注視するとともに、今後、実用化される可能性が高まってくる場合には、その技術や制度設計に積極的に参加していくことが望ましい。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
グロース市場改革を企業はどう捉えているか
投資家ニーズを汲み上げ、株価を意識的にデザインする必要性
2025年06月13日
-
上場後の高い成長を見据えたIPOの推進に求められるものとは
グロース市場改革の一環として、東証内のIPO連携会議で経営者向け情報発信を検討
2025年06月10日
-
成長と新陳代謝を促進するグロース市場改革
スタンダード市場への影響も注視
2025年05月12日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日