ホールセール型CBDCはクロスボーダー決済に変革をもたらすか?

『大和総研調査季報』2023年夏季号(Vol.51)掲載

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  • 経済調査部 研究員 中田 理惠
  • 金融調査部 主任研究員 長内 智

サマリー

本稿では、CBDC及びホールセール型CBDC(以下、wCBDC)を用いたクロスボーダー決済の仕組みを整理し、その導入に伴う各種影響や主体別のメリットとデメリットを確認する。さらに、代表的な国際プロジェクトを概観した上で、CBDCを用いたクロスボーダー決済の今後の課題などについて検討した。

wCBDCを活用したクロスボーダー決済ネットワークの構想は、そのデザインの如何によって、安全性、効率性が大きく変化し、メリットとデメリットの両方をもたらし得る。

現在進行中のプロジェクトはいずれも現時点で実用化されるか不確実だが、真に利便性の高い設計となった場合、クロスボーダー決済の在り方に大きな変革をもたらす可能性がある。また、クロスボーダー決済の効率化のみならず、新たなビジネスの機会を生み出す可能性も備えている。

こうした中、日本は国際的なプロジェクトの動向を注視するとともに、今後、実用化される可能性が高まってくる場合には、その技術や制度設計に積極的に参加していくことが望ましい。

大和総研調査季報 2024年秋季号Vol.56

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