2026年09月04日
サマリー
◆2026年2月、パリ協定6条4項監督機関は、パリ協定クレジットメカニズム(PACM)初のクレジット(A6.4ER:6条4項に基づく排出削減・除去量)の発行を承認した。PACMでは、京都議定書下のクリーン開発メカニズム(CDM)に登録された活動のうち、一定の条件を満たすものを移行する措置がある。同年6月末には移行に必要なホスト国承認の期限も到来し、制度は実運用段階に入った。
◆もっとも、A6.4ERの供給は当面限定的とみられる。CDMからの移行申請約1,500件中、移行承認済みは約400件、PACM登録済みは31件にとどまる。新規活動についても事前検討通知が多数提出されているが、方法論の整備や登録には時間を要する。CDMからの移行活動も保守的な算定等の影響を受けるため、その件数やCDM時の想定削減量をもってA6.4ERの発行・供給量を単純には見積もることは難しい。
◆A6.4ERは、ホスト国が国際利用を承認したAER(承認済みA6.4ER)と、承認を伴わないMCU(緩和貢献ユニット)に分かれる。AERは他国のNDC(国が決定する貢献)達成等に用いられ、二重計上を防ぐため相当調整が適用される。MCUはホスト国のNDCに貢献するため、相当調整は適用されない。
◆企業がA6.4ERの利用・調達を検討する際には、国際利用に関するホスト国承認の有無や承認された用途、利用制度(GX-ETS、CORSIA等)や基準(SBTi等)の要件を確認する必要がある。また、必要な時期・量を調達できるかを判断する上で、A6.4ERの発行見通しも重要となる。
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