サマリー
◆公的年金の給付水準の抑制が見込まれる中、豊かな老後を送るためには年金受給額を厚くする発想が求められる。この点、年金の視点からも高齢期にできるだけ長く働くことが本質的な備えとなる。2020年の年金改正では、より長く就労することと組み合わせることで高齢期の経済基盤を充実させることができる制度への見直しが行われた。
◆現在、65歳まで働ける一応の環境は整備されつつある。だが、継続雇用による賃金引下げが、高齢者の就業意欲を低下させている点は課題である。また、65歳以降も働ける社会を実現していく上では、フリーランスなど雇用以外の働き方や、テレワーク、短時間労働など、より多様で柔軟な働き方の選択肢を拡大することが望ましい。
◆まずは65歳までの就業環境の改善が喫緊の課題であり、同時に70歳、75歳とより長く働ける社会の実現を着実に目指していく必要がある。企業には高齢者雇用への取り組みを若年・壮年層も含めた就業環境全体を見直すきっかけとすることが求められ、政府には働き方が違っても中立的な年金税制の構築が求められる。
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