サマリー
◆大和総研では、全国の105金融法人(銀行、生損保、協同金融組織)及び71の年金基金(厚生年金、企業年金)を対象にオルタナティブ投資状況のアンケート調査を実施した。
◆本アンケートは2005年度の開始以来11回目となる。調査の実施期間は2015年10月21日から11月20日で、全国の年金基金・金融法人を送付対象として、原則、郵送形式で実施した。金融法人については、市場金融部門及び総合企画部門から別々に回答を得ることで、投資家・発行体としてのスタンスの違いを区分けしている。
◆アンケートは全部で80項目にわたり、以下の分類で集計している。
- オルタナティブ投資全体・今後の年金運用・有価証券運用の方向性
- バーゼル規制の実態調査、バンク・ファイナンス(コンティンジェント・キャピタル、カバード・ボンド)
- コーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップ・コード、国連責任投資原則(PRI、ESG投資)
- アジア・エマージング投資
- インフラ投資(再生可能エネルギー含む)
- ヘッジファンド投資
- 不動産投資
- プライベートエクイティ投資
- クレジット・ストラクチャード投資(証券化商品等)
◆金融法人では国内外REITや仕組債の採用を増やす一方、昨年度ようやく増加に転じたヘッジファンドは、(米国の利上げによる)新興国市場の混乱や原油安の影響により運用成績が低迷したことで、再び採用が抑制されている。さらに、企業年金からは内外株式比率を低下させる声が相次いだものの、それがオルタナティブ投資の採用拡大には繋がっていないことも確認されている。
◆その中で、金利上昇リスクと低利回りへの対策として債券アンコンストレインドやコンティンジェントキャピタル(CoCos)を新規で採用する動きが頻出しており、今後のオルタナティブ投資の牽引役のひとつとして期待される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
議決権行使助言業者規制再導入の検討開始
米国議会で議決権行使助言業者規制に関する公聴会が開催された
2025年05月13日
-
大和のクリプトナビ No.2 暗号資産価格のリターン・ボラティリティ・相関の特徴
過去のリターンは、将来のリターンに対する一定の予測力が存在
2025年04月15日
-
大和のクリプトナビ No.1 暗号資産価格の歴史的推移
需給の影響を受けやすく、足元では政策や機関投資家の動きも影響
2025年04月10日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日