サマリー
◆3月26日に北海道新幹線が開業予定である。その後も、国内での高速鉄道の整備は進められていく予定である。一方、高速鉄道システムの海外展開もインドや米国などいくつかの案件が具体化しつつある。
◆整備新幹線、中央リニア新幹線共に、前倒しを図ろうとすることは大いに意義があると考えるが、現行の開業スケジュールに間に合わせることが現実的であるように思われる。
◆海外では構想段階のものから具体化しているものまで、いくつかの国で高速鉄道の建設計画があるが、中国、欧州勢等との競合を見据えて、高速鉄道計画のスキームを考えていく必要がある。その際、政府による外交的な支援のみならず、公的金融による支援も重要な要素である。
◆政策論として考える場合、国内の高速鉄道網充実は、大胆な行政再配置、人口再配置に繋がる施策を支える装置として活用することが望ましい。一方、海外での高速鉄道システムの展開は、世界経済発展への貢献と日本の成長力持続を両立する手段の一つと意義付けて、積極的に活動していくことが期待される。
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