サマリー
◆「国土強靭化」は、防災・減災を強化した国土構想を改めて定め、持続可能な国家機能と社会の構築を図ろうとする概念であり、中心となるのはインフラの強化である。ただし、国土強靭化そのものはインフラを包含するハード・ソフト両面にわたる様々な施策を効果的に組み合わせて実現するものである。
◆政府は「ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会」と「国土強靱化の推進に関する関係府省庁連絡会議」を設置し、国土強靭化に必要な施策立案やそのための現状把握としての脆弱性評価等を検討・推進し、「国土強靭化(ナショナル・レジリエンス(防災・減災))推進に向けた当面の対応」を作成・決定した。
◆法的には、議員立法の形で「防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」が国会に提出された。廃案前の法案と比較して、国土強靭化の方向性がより明確になっていると評価できる。
◆こうした取り組みは中長期的な国土のあり方にも影響を及ぼすこととなろう。そのため、望ましい国土のあり方といった将来における全体ビジョンを構想しておくことが重要である。国土強靭化のための諸施策を全体ビジョンの方向性に沿って展開することにより、国土強靭化がより効果的に実現されると考える。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
始動する国土強靱化、基本法成立
国土強靱化に関する基本法、政策大綱とインフラ更新検討状況
2013年12月13日
-
民間資金の活用
ニュースで見かける官民連携のキーワード 第5回
2013年09月04日
-
官民ファンド
ニュースで見かける官民連携のキーワード 第4回
2013年08月28日
-
インフラの資金源
ニュースで見かける官民連携のキーワード 第3回
2013年08月21日
-
コンセッションとは?
ニュースで見かける官民連携のキーワード 第2回
2013年08月14日
-
みんなのためのインフラ更新と国土強靭化③
人口減少下での重点化・優先順位付け
2013年06月27日
-
持続可能なインフラ整備に向けて
~官民連携の強化と長期資金~『大和総研調査季報』 2012年夏季号(Vol.7)掲載
2012年09月03日
-
注目すべき国土強靭化の行方
老朽化したインフラの更新は官民連携で
2012年12月17日
-
みんなのためのインフラ更新と国土強靭化①
国土強靭化の論点と課題
2013年05月07日
同じカテゴリの最新レポート
-
持続可能な社会インフラに向けて 水道広域化のスケールメリットの検証と課題
足下のコスト削減よりむしろ技術基盤の強化
2025年04月22日
-
水道管路の性能劣化の現状とその対策
都市部の経年化よりむしろ低密度・人口減地域の投資財源不足が課題
2025年03月14日
-
地方創生10年 職種構成に着眼した東京一極集中の要因と対策
どうして若者は東京を目指すのか
2024年12月26日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日