税制改正大綱—資産課税・相続税等の見直し

タワーマンションの建物部分固定資産税は最大7%程度の変動

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2017年01月05日

サマリー

◆2016年12月8日に、自由民主党・公明党は「平成29年度税制改正大綱」を公表した。本稿は、固定資産税、相続税・贈与税関連の改正について解説・分析する。


◆大綱では、タワーマンションにおける建物部分の固定資産税額について、1棟全体の税額を各戸に按分する方法を見直すとしている。改正により各戸の固定資産税額は低層階ほど減少、高層階ほど増加し、現行比で最大7%程度の増減となるものと考えられる。もっとも、今回の改正はあくまで固定資産税の「税額」の改正であり固定資産税評価額の改正ではないため、相続時の相続税の評価額には直接影響しない。


◆このほか、大綱では、非上場株式の相続税評価額の計算方法の見直し、事業承継税制の見直し(要件緩和)、相続税の物納優先順位の見直し(上場有価証券等を第1順位に)、非居住者等に係る相続税・贈与税の課税対象範囲の見直しを行うとしている。


◆金融庁が要望していた上場株式等の相続税評価額の見直しは大綱に盛り込まれなかったが、他の資産との評価の平仄を整える観点から、引き続き検討することが望まれる。

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