サマリー
◆2025年3月4日、衆議院にて2025年度税制改正法案が修正を経て賛成多数で可決された。修正後の法案(以下、与党修正案)は年度内に参議院で可決・成立する見通しだ。本レポートは与党修正案における「103万円の壁」への対応につき解説する。
◆税法上の「103万円」には、所得税の課税最低限としての103万円と、学生や「配偶者手当のある世帯の被扶養配偶者」において扶養の範囲で働ける上限年収としての103万円という2つの意味がある。国民民主党は、これらの大幅な引上げにより、①経済対策、②ブラケットクリープへの対応、③生存権の確保(所得が最低生活費に近い者に課税しないこと)、④働き控えの解消、の4つの政策実現を目指していた。与党修正案は、国民民主党が主張した4つの政策を財政規律上許す範囲で取り込んだものといえる。
◆本レポートにて、与党修正案の実施によるマクロ経済への影響を試算した。その結果、71万人(学生61万人、被扶養配偶者10万人)が労働時間を延ばすことで、雇用者報酬は年0.1兆円、減税効果と合わせて個人消費は年0.9兆円増加するとみられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
「103万円の壁」与党改正案の家計とマクロ経済への影響試算(第4版)
71万人が労働時間を延ばし、個人消費は年0.5兆円拡大の見込み
2025年01月21日
-
平成以降の家計の税・社会保険料負担の推移
『大和総研調査季報』2025年新春号(Vol.57)掲載
2025年01月24日
同じカテゴリの最新レポート
-
飲食料品消費税率引下げによる事業者への影響
税制や予算の特例により事業者への影響を抑える方針
2026年10月14日
-
国債保有優遇・NISA利便性向上を要望
金融庁・令和9年度税制改正要望
2026年09月17日
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
最新のレポート・コラム
-
一括取得型自己株式取得(ASR)入門
ASRに関する基本的な事項をQ&A形式で解説
2026年10月16日
-
「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」における金融経済教育に関する記述
金融経済教育関連に限ると、大幅な拡充は行われない方向性か
2026年10月16日
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
なぜ企業は同じ情報を何度も提出しなければならないのか
公的統計のデジタル化を問う①-負担軽減の「効果」
2026年10月16日
-
成長投資の先にあるもの ~AI時代に問われる「組織能力」~
2026年10月16日
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

