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税制改正大綱—外国子会社合算税制の見直し

「トリガー税率」は部分的に維持。平成30年4月以降事業年度から適用。

2016年12月16日

金融調査部 主任研究員 金本 悠希

サマリー

◆12月8日、与党が税制改正大綱を公表した。国際課税に関して、外国子会社合算税制の見直しが盛り込まれている。外国子会社合算税制は、タックスヘイブン等に所在する子会社等に所得を移転することによる課税逃れを防止するため、外国子会社等の所得を日本の親会社等の内国法人に合算して課税するものである。


◆大綱は、内国法人に合算される所得について、経済実体がない、いわゆる受動的所得は合算対象とする一方で、実体ある事業からの所得であれば、子会社の税負担率にかかわらず合算対象外とするという方針に沿って見直している。


◆現行制度は、制度が適用される子会社等を、租税負担割合が20%未満(トリガー税率)か否かで判定している。トリガー税率を上回る子会社等は、所得の内容にかかわらず一律に制度適用外となり、上記の方針からは適用範囲が広すぎたり狭すぎたりする問題があるため、トリガー税率を廃止するかが重要な論点であった。大綱は形式的にはトリガー税率(租税負担割合基準)を廃止しているものの、ペーパーカンパニー等に該当する場合を除き、制度の適用対象を租税負担割合が20%未満か否かで判定する仕組みは維持している。


◆また、合算対象が全所得か資産運用的な所得かを判定する「適用除外基準」も見直され、名称が「経済活動基準」に改められるとともに、実体のある航空機リース会社や製造業会社の所得が合算されないように基準が見直されている。


◆また、部分合算課税の対象となる受動的所得の項目が、現行制度よりも精緻に定められている。


◆今回の改正の適用時期は、(外国関係会社の)平成30年4月1日以後に開始する事業年度からとされている。

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