マーケット・リスク相当額の計測手法の見直し(確定版)

マーケット・リスク相当額の不算入特例が厳格化

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サマリー

◆2022年4月28日、金融庁が、「バーゼルⅢの最終合意」を踏まえた、銀行の自己資本比率規制の改正告示(確定版)等を公表した。国際行・内部モデルを用いる国内行は2024年3月31日から、内部モデルを用いない国内行は2025年3月31日から適用される(いずれも2023年3月31日から早期適用可能)。

◆現行制度では、トレーディング資産・負債が一定額未満の場合、マーケット・リスク相当額の算入が不要という特例が定められており、多くの銀行はマーケット・リスク相当額を算入していない。改正により、特例に外国為替リスクが一定額未満という要件が追加されるため、新たにマーケット・リスク相当額の算入が求められるケースが生じ得る。

◆改正により、バンキング勘定に分類される金融商品とトレーディング勘定に分類される金融商品が明確化された(原則として、前者は信用リスク・アセット、後者はマーケット・リスク相当額の算出対象)。ただし、上場株式等、原則としてトレーディング勘定に分類されるものでも、金融庁に届け出ることでバンキング勘定に分類できる。

◆改正により、マーケット・リスク相当額の算出方法(標準的方式・内部モデル方式)も大幅に見直されている。また、マーケット・リスク相当額を、現行の標準的方式による算出額に一定の値をかけて算出する簡易的方式が導入されている。

(※1)本稿は拙稿「マーケット・リスク相当額の計測手法の見直し」(2021年12月17日付大和総研レポート)の確定版である。

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