2023年05月25日
サマリー
◆2023年4月14日、欧州委員会は、SFDR(EUを拠点とする資産運用会社等のサステナビリティ開示規制)のQ&Aを更新している。
◆ここで更新されたSFDRのQ&A(更新Q&A)は、EUの銀行・証券・保険の監督当局(ESAs)から寄せられた質問(2022年9月9日公表)に対する回答をその内容としており、市場関係者が待望していたものである。
◆更新Q&Aは、運用商品を9条ファンドに分類するためのハードルを下げた、という点にその意義がある。
◆まず、更新Q&Aが、「サステナブル投資」の定義のうち、「‘E’又は‘S’の促進に貢献することを目的とした経済活動(への投資であること)」という要件の解釈について、「何ら最低水準等の定めはなく、自社で決めた内容を開示することで足りる」としたことにより、9条ファンドから8条ファンドへの「格下げ」というトレンドが終焉する可能性がある。
◆また、更新Q&Aが、ESAsステートメントの厳格な解釈、すなわち、9条ファンドは「(現金及びヘッジ目的の投資を除いて)100%『サステナブル投資』で構成」という要件を緩和し、「‘EU Paris-aligned Benchmarks’(PAB)又は‘EU Climate Transition Benchmarks’(CTB)にトラックするパッシブ・ファンドであれば、自動的に9条ファンドに分類可能」としたことにより、9条ファンドに占めるパッシブ・ファンドの市場シェアが増加する可能性がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
SFDR、レベル2開示実例(商品レベル)
【8条ファンド・9条ファンド】EU拠点最大手二社の対応状況
2023年04月27日
-
ESG投信のグリーンウォッシング対策
【金融庁】ESG投信、「最低水準」が事実上収斂していく可能性あり
2023年05月15日
同じカテゴリの最新レポート
-
自己資本比率規制における内部格付手法の影響
内部格付手法採用行は自己資本比率の分母を7割程度に圧縮
2025年03月10日
-
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日
-
ESG投信のグリーンウォッシング対策
【金融庁】ESG投信、「最低水準」が事実上収斂していく可能性あり
2023年05月15日
最新のレポート・コラム
-
利用広がる議決権パススルー
投資信託のリテール顧客による議決権行使の選択が現実のものに
2026年10月26日
-
日本版米国型AWMビジネスモデルを創出するための条件
~投資銀行型と商業銀行型の比較~『大和総研調査季報』2026年秋季号(Vol.64)掲載
2026年10月26日
-
次世代の「地域金融の課題と競争のあり方」
~最新データに基づく地域銀行の競争可能性の再試算~『大和総研調査季報』2026年秋季号(Vol.64)掲載
2026年10月26日
-
マル優・NISA等の非課税制度が家計金融資産に及ぼした影響の長期分析
~家計の国債保有優遇策の検討に向けた政策的示唆~『大和総研調査季報』2026年秋季号(Vol.64)掲載
2026年10月26日
-
子どもが幼いうちは子育てに専念したい世帯にも目配りを
2026年10月26日
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

