2015年12月02日
サマリー
◆2015年11月26日、金融庁は、バーゼルⅢの資本バッファーの導入枠組み(資本バッファー枠組み)を公表している。
◆資本バッファーは、「資本保全バッファー」、「カウンター・シクリカル・バッファー」と「G-SIBsバッファー」又は「D-SIBsバッファー」という4種類のバッファーを包含する。
◆資本バッファー枠組みの適用対象は「国際統一基準行」であり、2016年3月31日から実施される。
◆基本的には、国際合意をそのまま日本のルールに落とし込む内容となっており、サプライズはない。
◆ただ、G-SIBsバッファー及びD-SIBsバッファー、特に後者の「枠組み」が導入されていることの意義は小さくない。今後G-SIBs又はD-SIBsに指定される国際統一基準行の資金調達行動に影響を及ぼす可能性があるためである。
◆今後の注目点は、早ければ年内に公表されるであろう、D-SIBsのリストとD-SIBsバッファーの水準である。
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