大口信用供与等規制の細則の見直し①

【銀行法施行令・銀行法施行規則等改正】見直しの概要

RSS
  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆2014年10月17日、金融庁は、「平成25年金融商品取引法等改正(1年半以内施行)に係る銀行法施行令・銀行法施行規則等の改正案に対するパブリックコメントの結果等について」(銀行法施行令・銀行法施行規則等改正)を公表した(同年同月22日に公布)。


◆銀行法施行令・銀行法施行規則等改正は、2013年6月12日に成立(同年同月19日に公布)した銀行法等の一部改正に伴う、いわゆる「大口信用供与等規制」の細則の見直しである。


◆そこで、計3回に分けて、銀行法施行令・銀行法施行規則等改正の内容を紹介する。第1回となる本稿のテーマは、見直しの概要である。


◆銀行法施行令・銀行法施行規則等改正は、公募社債の追加など、大口信用供与等規制の対象となる「信用供与等」の範囲を拡大している。


◆また、銀行法施行令・銀行法施行規則等改正は、信用供与等の限度額(自己資本の額に対する割合)について、受信側グループに対する限度額を、「40%」から国際的な標準である「25%」に引き下げている。


◆そして、銀行法施行令・銀行法施行規則等改正は、受信側グループの合算範囲(「同一人」の範囲)を、議決権50%超の保有による形式基準に基づく子会社から、実質支配力基準に基づく子法人等、影響力基準に基づく関連法人等まで拡大している。


◆銀行法施行令・銀行法施行規則等改正は、2014年12月1日から施行される。


◆ただし、経過措置として、信用供与等の限度額を超えている銀行等は、2015年2月28日までにその旨を内閣総理大臣に届け出たときは、その信用供与等につき、適用を1年先送りすることができる。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート