2020年03月10日
サマリー
◆新型コロナウイルス感染症に関連し、株主総会の開催や決算・開示(有価証券報告書等の提出や適時開示)などの手続に支障が生じる可能性がある。
◆これを踏まえて、法務省(「定時株主総会の開催について」)、金融庁(「新型コロナウイルス感染症に関連する有価証券報告書等の提出期限について」)、東京証券取引所(東証)(「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた適時開示実務上の取扱い」)は、対応についての見解を相次いで発表した。
◆法務省は、新型コロナウイルス感染症に関連して、定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合には、その状況が解消された後合理的な期間内に定時株主総会を開催すれば足りる、との見解を示している。ただし、定款に定めた基準日から3ヶ月以内に定時株主総会を開催できない場合は、新たな基準日を定める必要があるとしている。
◆金融庁は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、中国子会社への監査業務が継続できないなど、やむを得ない理由により期限までに有価証券報告書等の提出ができない場合は、財務局長等の承認により提出期限を延長することが認められるとしている。
◆東証は、新型コロナウイルス感染症の影響により決算手続き等に遅延が生じ、速やかに決算内容等を確定することが困難となった場合には、「事業年度の末日から45日以内」などの時期にとらわれず、確定次第に開示することで差し支えないなどの見解を示している。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
株主提案天国は終了か?:テキサス州法改正
株主提案権制度をSEC規則による規制から州法による規制に変える
2025年05月19日
-
東証投資単位引き下げで変わる株主総会
議決権1つの価格が下がれば、株主提案権も「大安売り」に
2025年04月28日
-
社外取締役の選任状況から見る課題と対応
取締役会のスリム化、兼任を含む企業ごとのアプローチの検討が必要
2025年04月11日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日