2018年11月22日
サマリー
◆役員報酬の不適切な開示を巡る問題が話題となる中で、法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会における会社法改正に向けた議論が大詰めを迎えている。
◆コーポレート・ガバナンスに関わる論点として、取締役報酬のあり方、具体的には、①取締役報酬等の決定方針、②取締役の個人別報酬等の決定手続、③株式報酬等の手続が注目されている。
◆特に、②取締役の個人別報酬等の決定手続に関しては、代表取締役への再一任には株主総会の承認を義務付けることが提案されている。これは、わが国企業における報酬決定プロセスの根幹に関わる問題であり、実務に与える影響も大きいだろう。
◆もっとも、仮に、この改正が見送りになったとしても、例えば、コーポレートガバナンス・コードを通じて、客観性・透明性ある手続や独立した諮問委員会の活用などが、既に要求されている。取締役の個人別報酬等の決定を代表取締役に一任する慣行に対して、株主、市場、社会の視線は、より厳しさを増すものと思われる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
会社法制(企業統治等関係)要綱案 ①概略
2019年02月04日
-
会社法改正に向けた議論の動向②
取締役報酬、社債管理、株式交付など
2018年10月11日
-
CGコード改訂と指名・報酬諮問委員会の現況
2018年07月09日
-
会社法制(企業統治等関係)中間試案の概要
2018年03月22日
同じカテゴリの最新レポート
-
株主提案の適正化で成果をあげる米国SEC
第2次トランプ政権下で株主提案は減少。日本も制度改正を検討中。
2026年07月01日
-
会社法改正の検討事項:現物出資制度をめぐる論点
検査役の調査と不足額填補責任の見直し
2026年06月22日
-
認知機能の低下への備えは十分か
任意後見制度に係る改正案と利用促進の課題
2026年06月15日
最新のレポート・コラム
-
インド:モディ政権の産業政策は、「質の高い雇用」を生みだせるのか?
量的改善から安定性・生産性・所得を伴う雇用への転換が問われる
2026年07月14日
-
GPIFのサステナブル投資はどこに向かうのか
ESG投資の大幅削減の裏側にはGPIFが抱える根本的な課題あり
2026年07月13日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
-
「ベンチャーキャピタルにおいて推奨・期待される事項」(VCRHs)の見直し
ベンチャーキャピタルのガバナンス強化と投資魅力向上を図る
2026年07月13日
-
日本のフィジカルAIの成否の鍵を握る「暗黙知」
2026年07月13日
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日

