FOMC 明確さを待つために様子見

FOMCはインフレ高止まり、景気下振れ、金融面のリスクに直面

RSS

2026年10月29日

  • 経済調査部 主任研究員 矢作 大祐
  • ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 藤原 翼

サマリー

◆2026年10月のFOMCでは、FF金利の誘導目標レンジを3.75~4.00%に据え置いた。市場は事前にFF金利の据え置きを織り込んでおり、決定後の長期金利、株価、ドルにも大きな変動は見られなかった。

◆声明文では景気判断を上方修正し、ウォーシュFRB議長もFOMC後の記者会見で、個人消費、設備投資、雇用環境の底堅さを強調した。そして、インフレ率は依然高すぎることも引き続き強調した。他方、金融環境に関するウォーシュ議長の指摘には変化が見られた。資本配分の選別が進み、一部資産では信用スプレッドが急拡大するなど、金融環境には引き締まりの兆候が表れているとした。

◆もっとも、ウォーシュ議長は金融環境の引き締まりの程度を断定するのは時期尚早との見解を示した。ウォーシュ議長は今後のデータによって状況がより「明確」になると述べ、フォワードガイダンスの提示には慎重な姿勢を維持しつつも、12月のFOMCで利上げに踏み切る可能性をにじませたと解釈すべきである。

◆9月時点のFOMC参加者の金利見通しと直近のFedWatchは、12月のFOMCでの0.25%pt追加利上げを示唆している。しかし、実施の可否は予断を許さない。注目点は、期待インフレ率の上振れ、雇用統計、とりわけ労働参加率の改善、社債利回りなどに表れる金融ストレスの3点である。FOMCは、利上げによる景気・金融環境の悪化と、据え置きによるインフレ期待の上振れというジレンマに直面しており、政策判断とともに丁寧な情報発信が求められる。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

同じカテゴリの最新レポート