サマリー
◆2026年10月のFOMCでは、FF金利の誘導目標レンジを3.75~4.00%に据え置いた。市場は事前にFF金利の据え置きを織り込んでおり、決定後の長期金利、株価、ドルにも大きな変動は見られなかった。
◆声明文では景気判断を上方修正し、ウォーシュFRB議長もFOMC後の記者会見で、個人消費、設備投資、雇用環境の底堅さを強調した。そして、インフレ率は依然高すぎることも引き続き強調した。他方、金融環境に関するウォーシュ議長の指摘には変化が見られた。資本配分の選別が進み、一部資産では信用スプレッドが急拡大するなど、金融環境には引き締まりの兆候が表れているとした。
◆もっとも、ウォーシュ議長は金融環境の引き締まりの程度を断定するのは時期尚早との見解を示した。ウォーシュ議長は今後のデータによって状況がより「明確」になると述べ、フォワードガイダンスの提示には慎重な姿勢を維持しつつも、12月のFOMCで利上げに踏み切る可能性をにじませたと解釈すべきである。
◆9月時点のFOMC参加者の金利見通しと直近のFedWatchは、12月のFOMCでの0.25%pt追加利上げを示唆している。しかし、実施の可否は予断を許さない。注目点は、期待インフレ率の上振れ、雇用統計、とりわけ労働参加率の改善、社債利回りなどに表れる金融ストレスの3点である。FOMCは、利上げによる景気・金融環境の悪化と、据え置きによるインフレ期待の上振れというジレンマに直面しており、政策判断とともに丁寧な情報発信が求められる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米中間選挙後の注目点①:「変わる政治」
民主党優勢で高まる政治の停滞と不確実性
2026年10月27日
-
米国経済見通し CoreWeave問題をどうみるか
高金利が問うAI投資の持続可能性とFRBによる利上げの行方
2026年10月22日
-
“It’s the economy, stupid.” K字化が揺らす米国中間選挙
中間選挙では、上下院で民主党が僅差で多数派になると予想
2026年10月22日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

