共和党大会で読み解く米中間選挙の注目点

「トランプ大統領の選挙」との位置付けは、諸刃の剣か

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2026年09月18日

  • ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 藤原 翼
  • 経済調査部 主任研究員 矢作 大祐

サマリー

◆共和党は2026年9月9日・10日、テキサス州ダラスで中間選挙年としては初となる共和党大会を開催した。トランプ大統領は基調演説で、自身の名前が投票用紙に載っていると思って投票してほしいと呼び掛け、中間選挙を「トランプ大統領の選挙」と位置付けた。また、移民政策や大型減税法案、関税等の実績を強調し、中間選挙後の新公約としては、成人一人当たり5,000ドルを支給する「トランプ配当」等を掲げた。演説ではさらに、急進左派が存在感を増す民主党を「共産主義」と位置付けて対立軸を鮮明化し、激戦州での協力を呼び掛けた。

◆中間選挙を「トランプ大統領の選挙」とする戦略は諸刃の剣でもある。トランプ大統領への支持を強く喚起することでMAGA(Make America Great Again)派を中心としたトランプ票の結集を促す一方、中間選挙の争点そのものを共和党候補者への評価ではなく、トランプ大統領への支持・不支持へと転換させる可能性がある。トランプ大統領の不支持率が依然として高いことを踏まえれば、無党派層や民主党支持層の投票意欲を高め、反トランプ票の結集につながる可能性も否定できない。

◆トランプ票の結集が共和党にとって好結果をもたらせば、トランプ大統領の求心力は維持・強化され得るが、その逆も然りである。こうした中で注目されるのはヴァンス副大統領のリーダーシップであろう。今回の共和党大会で、民主党批判という点ではトランプ大統領とヴァンス副大統領は共通していたものの、そのアプローチには違いも見られた。トランプ大統領が民主党を「共産主義」と位置付けて対立軸を鮮明化したのに対し、ヴァンス副大統領の演説では家族や共同体、宗教といったより身近な価値観を軸に、トランプ政権に必ずしも賛同しない保守層にも協力を呼び掛けた。

◆仮にこうしたヴァンス副大統領の呼び掛けが奏功し、共和党の支持基盤の拡大につながった場合、ヴァンス副大統領は、ポスト・トランプ期の共和党を率いる有力な政治指導者として存在感を高める可能性がある。この場合、主役であり続けたいトランプ大統領と、次世代の指導者として台頭するヴァンス副大統領との関係がどのように変化するのかは、トランプ政権後半2年間の求心力や政権運営を占う上で重要な論点となり得る。

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