ドル高・米金利上昇への転換で問われる新興国通貨の耐性

耐性は、メキシコ、マレーシア、ブラジルで比較的高い

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2026年10月05日

サマリー

◆2026年の新興国通貨は、中東危機を背景とする原油高とリスク回避姿勢の強まり、米国の実質金利上昇に伴う対米金利差の縮小という共通のショックを受けたが、通貨間のパフォーマンスには差があった。

◆2026年4~6月には、多くの国で交易条件や輸出入数量の動向、サービス・所得収支を含む経常収支の構造が、通貨の強弱と概ね整合した。ただし、インド、南アフリカ(南ア)、トルコでは、経常収支だけでは為替動向を説明できず、資金フローやインフレ期待などの金融面の影響を大きく受けた。また、2026年7月以降は、ドル安に加え、各国の利上げや為替介入等が通貨を下支えしてきた。

◆9月16日の米国の利上げと追加利上げ観測は、新興国通貨にとって再びリスクとなりうる。今後の耐性を総合すると、メキシコ、マレーシア、ブラジルは、経常収支、外貨獲得力、直接投資の規模、外貨準備の厚みなどの面で相対的に下支え材料が多い。一方、インドネシアとフィリピンは厚い外貨準備を有するものの、経常赤字と市場性資金の変動に注意が必要である。タイはエネルギー高に対して脆弱ではあるが、外貨獲得力や直接投資、外貨準備の厚みが緩衝材になる見通しである。対象国の中では、海外借入依存度の高さ、期待インフレの高さ、低い政策信認という点で、トルコの脆弱性が最も大きい。

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