サマリー
◆米中貿易戦争の勝者は中国だ。「トランプ関税2.0」では、米国は中国からの輸入品に最大で145%の追加関税を課したが、レアアースという中国最強の切り札が切られたことをきっかけに、大幅に引き下げられた。
◆中国の対米輸出依存度は2016年の18.2%から2026年1月~8月には10.3%へ、対米輸入依存度は同様に8.5%から4.8%へ低下した。対米輸出依存度が大きく低下したのは、中国がASEANを含む「一帯一路」参加国・地域を中心に輸出先の分散化を図ったことに加え、対米輸出の一部が第3国・地域を経由した迂回輸出に代替されたためであろう。
◆2026年9月24日に、米中首脳会談が実施され、9月27日には、米中政府がそれぞれ300億ドル規模の関税引き下げリストを発表した。米国は中国から輸入する玩具や家電、ベビー用品、台所用品など77品目、中国は米国から輸入する農産品や冷凍牛肉、石炭、化粧品・衛生用品、医療機器など1,619品目である。実施時期は未定ながら米中同時に発効するとしている。
◆米中関係を踏まえ日本のとるべき立場について、バイデン政権時代の「スモールヤード・ハイフェンス」という考え方は腑に落ちるものがある。高市早苗政権の重点投資を行うべき17分野がそれに該当する。ただし、先端・機微ではない部分、さらには17分野を除く分野については、中国とのビジネスによってベネフィットが得られる限り、それを躊躇う必要はない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国経済見通し:不動産不況の底打ちに期待
見通しを2026年4.5%→4.6%、2027年4.2%→4.4%に引き上げ
2026年10月22日
-
中国:26年7~9月は4.5%成長の低空飛行
さらなる景気テコ入れ策の可能性も
2026年10月19日
-
中国政府が景気テコ入れ策を発表
再貸出限度額の増額、住宅ローンへの1%利子補給
2026年10月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

