サマリー
◆2026年4月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月差+11.5万人と減速したものの、市場予想(Bloomberg調査:同+6.5万人)を上回る堅調な伸びとなった。景気動向に敏感な民間部門雇用者数(除く教育・医療)が2カ月連続でプラスだった点もポジティブといえる一方、均してみれば緩やかな回復ペースに留まる。失業率については、2026年4月は前月から横ばいの4.3%となり、市場予想通りの結果となった。もっとも、小数点第2位まで含めて計算するとやや上昇したことに加え、非自発的失業と非自発的パートタイム就業者が増加した。4月の雇用統計は雇用者数がヘッドライン中心に堅調だったが、全体としては強弱まちまちの結果といえる。
◆雇用環境の基調評価を難しくしている要因の一つとして、労働参加率の低下にみられるように、労働供給の抑制が主因となって失業率が安定している点が挙げられる。非労働力人口の影響を受けにくい指標として、家計調査をもとにした失業者の就業確率を確認すると、足元まで低下傾向が続いており、必ずしも失業者が就業しやすくなっているわけではない。続いて、労働需要に目を向けると、2026年3月の求人件数は2カ月連続で減少した。求人件数の水準は686.6万件と、2024年12月以降は600万件台後半から700万件台前半のレンジで推移している。つまり、現時点で労働需要が回復しているとは評価しづらく、依然として労働需要と労働供給の双方が抑制される中で労働市場が均衡しているといえる。
◆最後に金融政策について、2026年4月28日・29日に開催されたFOMC では3会合連続で金利が据え置きとなった。同会合では、利下げを前提とした声明文の表現を維持することに3名が反対票を投じており、FOMC内でインフレへの警戒が高まっていることが示唆された。また、次期FRB議長候補のウォーシュ氏も2026年4月21日に実施された公聴会においてインフレ重視の姿勢を示していた。4月の雇用統計は強弱まちまちの結果であったとはいえ、雇用環境の悪化は強まっていないことから、目先は金利据え置きでインフレの様子見を行うことが想定される。
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