サマリー
◆2022年3月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月差+43.1万人となった。市場予想を下回ったものの、雇用環境の回復は継続した。失業率は同▲0.2%ptの3.6%となり、新型コロナウイルスの感染拡大が本格化する前(2020年2月)の水準である3.5%に肉薄した。雇用者数、失業率ともにまずまずの結果となったが、非自発的パートタイム就業者は2ヵ月連続で増加した点は気がかりである。
◆雇用環境の先行きについては、需給どちらも減速していくことが想定される。供給面に関しては、コロナ禍を契機に退職が進んだ高齢層に関しては再び職場復帰することは考えにくいだろう。また、企業の採用姿勢も更に積極化することは考えにくい。求人件数は依然高水準にあるが、足下は横ばいとなっており、企業マインド上でも雇用を拡大しようとしている企業の割合は低下傾向にある。そして、3月のFOMCで利上げフェーズへと移行したように、金融引き締めがタイムラグを伴って消費や投資を抑制し、景気全体が徐々に減速していくことも雇用環境の回復ペースを緩やかにするだろう。
◆金融政策への示唆として、今回の雇用統計の結果は5月3・4日のFOMCでの利上げの妨げにはならないだろう。むしろ、5月のFOMCで0.50%ptの利上げが実施されても驚きはない。また、市場は5月に続き、6月のFOMCでも0.50%ptの利上げを予想しており、利上げのペースアップを覚悟しているといえる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
米国、予測市場ETFの市場投入条件を探る
「あらゆるものの金融商品化・ETF化」の流れ、日本にも?
2026年08月18日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

