サマリー
◆新型コロナウイルス感染再拡大やそれに伴う政府による規制強化等によって、米国経済は景気の悪化リスクに再度直面している。ワクチン接種も漸進的なものであることから、短期的には感染再拡大の収束目途は立たず、実質GDP成長率は2020年10-12月期にペースは大幅鈍化し、2021年1-3月期はゼロ成長付近まで減速すると見込む。
◆景気の下振れリスクに直面する中、2020年12月末に成立した追加的な財政支援に加え、バイデン新政権は更なる追加支援を公表した。1.9兆ドル規模と2020年3月に成立したCARES Act(約2.3兆ドル)に近い規模となっており、2020年の7-9月期に米国経済が急回復したように、感染再拡大が落ち着き、規制が緩和・解除された後の景気のスムーズな持ち直しをサポートすることが期待される。
◆民主党が上下院で実質的な過半数を獲得したとはいえ、追加支援案の実現が確約されたわけではない。上院でのフィリバスター(議事妨害)を回避するには60票が必要であり、上院民主党議員(50票)を団結させた上で、上院共和党議員(10票)の支持を得る必要がある。
◆財政調整措置の活用によるフィリバスターの回避も可能だが、民主党内をまとめ上げることが必要であることに変わりはない。予算決議など手続きも必要であることから、時間を要することも課題といえる。追加支援案の実現に向けて優れた政治的手腕を発揮することができるか、バイデン新政権の先行きを占う試金石といえる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米国経済見通し 原油高への耐久目途は?
景気の下振れリスク抑制=5月、大幅悪化リスク抑制=10月
2026年03月24日
-
FOMC 2会合連続で金利据え置きを決定
中東情勢に加え、議長人事が金融政策運営の不確実性を高める
2026年03月19日
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
最新のレポート・コラム
-
消費データブック(2026/4/3号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年04月03日
-
英国でもESG投資と受託者責任の関係は混迷
年金基金のESG投資に関するガイダンス策定を定める法案が否決
2026年04月03日
-
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
-
非財務情報は企業価値に寄与するか
非財務情報(人的資本・ガバナンス)を用いた企業価値への影響に係る定量的検証
2026年04月03日
-
生成AI時代の仕事を読む「時間差」の視点
2026年04月03日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

