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失業率は8.4%と市場予想以上に低下

2020年8月米雇用統計:求職活動は積極化も、企業の雇用意欲が焦点

2020年09月07日

ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 矢作 大祐

サマリー

◆8月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月差+137.1万人、失業率は8.4%となった。市場予想(Bloomberg調査:非農業部門雇用者数同+135.0万人、失業率9.8%)と比較すると、失業率の下げ幅が市場予想を大幅に上回るポジティブサプライズを演出した。米国の雇用環境が引き続き改善していることを確認できる、安心感を与える結果となったといえる。

◆8月の失業率の大幅な低下は、7月末の失業保険給付増額の期限切れに伴う、求職活動の積極化が一因とも考えられる。8月8日には失業保険給付増額を含む大統領令が署名されたが、将来にわたっても給付が継続するか不透明な中で、人々は積極的な求職活動を継続するものと考えられる。ただし、景気の先行きに関する見通しが付きにくいことや、企業の体力が低下している中で、企業の雇用意欲が高まるかが焦点といえる。

◆9月15-16日のFOMCを控えているが、8月の雇用統計が引き続き改善したことで、一層の緩和策は考えにくくなったといえる。ただし、声明文が公表される16日の朝に公表予定の8月の小売売上高が引き続き改善傾向を示すか否かは、金融政策運営の先行きを考える上で重要となる。また、9月に入り、株式市場のボラティリティが上昇しているが、金融システムの安定性を重視するFRBにとって、FOMC開催までに金融・資本市場に動揺が見られれば、警戒を強めることになろう。

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