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米国経済見通し 高まる「8月リスク」

7月末に失業保険の増額期限到来も、追加支援法案の見通しは立たず

2020年06月23日

ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 矢作 大祐

サマリー

◆4月後半以降の経済活動の再開(リオープン)に伴い、5月の経済指標は改善傾向を示している。他方で、一部の州・地域を中心に新型コロナウイルス新規感染者数が増加しており、リオープンの停止や再ロックダウンを懸念する声もある。陽性率や入院患者数を踏まえれば、一足飛びにリオープンの停止やロックダウンの再開を想定するのはやや早計といえるが、新規感染者数が増加している以上、リオープンは慎重に進めざるを得ないだろう。

◆漸進的なリオープンを実施するためにも、経済への悪影響を和らげる痛み止めが引き続き必要となる。中小企業支援の中核をなすPPPローン(条件を満たせば返済猶予や免除が受けられる中小企業向け運転資金ローン)の申請期限は延長されたものの、予算枠の不足が懸念される。また、失業保険の増額分の期限が延長されなかった場合、8月以降の受給額は大幅に減額されることになる。

◆更なる追加支援への要望は高まる一方で、議会での追加支援法案の議論は独立記念日(7月4日)後の2週間の休会期間以降とされ、追加支援の決定は7月末までもつれ込むことが予想される。様子見姿勢の共和党にとって、6月の雇用統計等の結果を見定めたいとの思惑もあるだろう。ただし、雇用環境が改善したとしても、失業率は高水準である公算が大きく、失業保険増額の必要性に変わりはない。感染拡大を抑制しつつ景気回復を続けるためにも、追加支援法案を取りまとめる共和党・民主党両党による協働が不可欠といえる。

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