サマリー
◆大和総研では、2019年の実質GDP成長率は前年比+2.3%と予想する。2018年に比べて鈍化するものの、潜在成長率以上の成長を維持する。2020年は前年比+2.0%と潜在成長率程度へと緩やかに減速するという見立てである。
◆大統領選挙を控え、トランプ大統領にとって2020年の米国経済を景気後退に陥らせないことが、再選に向けて死活的に重要といえる。GDP成長率、株価、雇用・労働環境は申し分ないが、歴代大統領に比べて相対的に見劣りする企業活動の持ち直しが不可欠と考えられる。
◆こうした中、トランプ大統領はこれまで企業マインドを下押ししてきた通商政策を巡る不確実性を解消する動きを加速させている。12月には、USMCAの修正議定書に関する合意や、米中通商交渉フェーズ1に関する合意がなされた。大統領選が迫るほど、不確実性を高め、企業マインドを悪化させるような行動をとることは考えにくいだろう。
◆また、FRBは2019年に3度の予防的利下げを行い、経済をサポートしてきた。12月のFOMCで2020年の政策金利を据え置きとする見通しを示したことに加え、足下の物価や労働環境、新たな金融政策の枠組みの議論、投票権の変更を踏まえれば、2020年もFRBはハト派的な傾向が続く公算が大きい。2020年も緩和的な金融環境が経済成長をサポートするという構図が続くと考えられる。
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