米雇用者数は上振れ、労働市場は堅調持続

2018年12月米雇用統計:賃金上昇率も市場予想に反して加速

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2019年01月07日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2018年12月の非農業部門雇用者数は前月差+31.2万人と、2018年2月以来の大幅な増加となり、市場予想(Bloomberg調査:同+18.1万人)を大きく上回るポジティブな結果となった。3ヵ月移動平均値は、同+25.4万人と2016年9月以来の大きさへと加速しており、このところの景気減速懸念を緩和させる結果であったと言える。

◆家計調査による12月の失業率は、前月差+0.2%ptの3.9%となり、横ばいを見込んでいた市場予想に反して前月から上昇する結果となった。だが、失業率上昇の主な要因は労働参加率の上昇であり、過度に悲観視する必要はない。

◆12月の民間部門の平均時給は、前月比+0.4%と前月の同+0.2%から上昇幅が拡大し、市場予想(同+0.3%)を上回る良好な結果となった。また、前年比ベースの変化率は前年比+3.2%と、前月(同+3.1%)からの減速を見込んでいた市場予想(同+3.0%)に反して上昇ペースが加速した。

◆今回の雇用統計は総じて良好な結果であったが、先行きについてはやや慎重にみるべきであろう。税制改革効果の剥落や海外経済の減速懸念、貿易摩擦・関税を巡る不透明感などから、企業マインドが一段と悪化する可能性は高まっている。また、仮に企業マインドが堅調さを維持したとしても、人手不足がボトルネックとなり、今回の結果のような毎月+30万人を上回る雇用者数の増加を維持することは容易ではない。

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