サマリー
◆2017年4月の非農業部門雇用者数は前月差+21.1万人となり、市場予想(Bloomberg調査:同+19.0万人)を上回る良好な結果となった。非農業部門雇用者数増減の3ヵ月移動平均は同+17.4万人となり、2ヵ月連続で伸びが鈍化したものの、均して見れば底堅い雇用者数の増加が続いている。
◆4月の失業率は前月から▲0.1%pt低下の4.4%となり、2007年5月以来の低水準を記録した。失業率はすでに自然失業率に迫る水準まで低下している中で、労働需給のタイトさが一層増す結果となった。
◆非労働力人口が前月差+16.2万人増加したことで、労働参加率は同▲0.1%ptと5ヵ月ぶりに低下した。労働参加率の低下を踏まえると、今回の失業率の低下は必ずしもポジティブとは言えない。しかし、均して見た労働参加率の持ち直し自体は続いており、労働参加率の低下を過度に悲観的に捉える必要もないだろう。
◆4月の民間部門の平均時給は前月から7セント上昇、前月比+0.3%となり、市場予想通りの結果となった。しかし、民間部門時給の前年比変化率は+2.5%と2ヵ月連続で上昇幅が縮小した。失業率の低下傾向が続き、労働需給のひっ迫感が強まる中でも、このところ賃金上昇率は頭打ちとなっている。
◆雇用を取り巻く環境は底堅く、先行きも改善基調が続くと見込む。1-3月期の実質GDPは個人消費の減速を主因に低成長に留まったが、暖冬や税還付の遅れといった一時的要因を考慮すると、4-6月期には景気が再加速する可能性が高く、労働需要は増加が続くとみられる。他方で、労働供給不足が雇用者数増加のボトルネックになるリスクは上昇している。毎月20万人を上回るような雇用者数の伸びを維持することは困難になりつつあると考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米DTCC、トークン化株式の本番取引を開始
証券トークン化、ウォール街の基幹的なポストトレード業務へ移行
2026年10月08日
-
米雇用者数は大幅減速、過去分も下方修正
2026年9月米雇用統計:ただし、均してみれば雇用環境は底堅い
2026年10月05日
-
米長期金利を押し上げる利上げ織り込み加速は妥当か
むしろ警戒すべきは金融環境のタイト化による景気のオーバーキル
2026年10月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

