年内利上げには十分な結果

2016年9月米雇用統計:雇用者数減速、失業率悪化も内容は底堅い

RSS

2016年10月11日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2016年9月の非農業部門雇用者数は前月差+15.6万人となり、市場予想を下回る結果となった。雇用者数の伸びは3ヵ月連続で縮小し、減速気味である。しかし、3ヵ月移動平均は同+19.2万人となり、均して見れば毎月20万人弱の雇用者数の伸びが続いている。足下で減速はしているものの、それでも雇用者数は底堅い増加が続いていると捉えるべきであろう。


◆9月の失業率は横ばいを見込んでいた市場予想に反して、5.0%へと上昇した。非労働力人口が前月差▲20.7万人減少し、労働参加率の上昇が失業率を押し上げたため、失業率は前月から悪化したものの内容は悪くない。


◆9月の民間部門の平均時給は前月から6セント増加、前月比+0.2%となった。前年比で見た平均時給は+2.6%と、前月から伸び率が拡大した。また、9月の民間部門の週平均労働時間は前月から0.1時間増加の34.4時間となった。民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は前月比+0.7%と増加、2016年1月以来の高い伸びとなっており、マクロベースの所得は堅調な伸びを示している。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。