12月の利上げ開始に向け一歩前進

2015年10月米雇用統計:雇用者数は大きく上振れ、賃金上昇も加速

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2015年11月09日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆10月の非農業部門雇用者数は前月から+27.1万人の増加と、市場予想を大きく上回るポジティブな結果であった。2014年12月以来の高い伸びとなり、このところ高まっていた景気減速懸念を払拭する力強い改善であった。


◆10月の失業率は5.0%と前月から▲0.1%pt低下した。失業者数は前月差▲0.7万人と、小幅な減少に留まったが、非労働力人口が同▲9.7万人減少、就業者数は同+32.0万人増加しており、非労働力人口の就業が進んだことで失業率が低下した。


◆民間部門の平均時給は前月比+0.4%となり、市場予想を上回った。また、前年比で見た時給変化率は+2.5%と、2009年7月以来の高い伸びとなった。今後の賃金上昇加速を期待させる結果であったと言える。


◆今回の雇用統計は、12月のFOMCで利上げを開始するのに十分な結果と言える。賃金上昇の加速が見られたことに加えて、ヘッドラインが市場予想から大きく上振れし、12月利上げ開始に対する市場の織り込みが進んだことも好材料である。12月利上げ開始という従来の見方に変更はない。

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