サマリー
◆10月の非農業部門雇用者数は前月から+27.1万人の増加と、市場予想を大きく上回るポジティブな結果であった。2014年12月以来の高い伸びとなり、このところ高まっていた景気減速懸念を払拭する力強い改善であった。
◆10月の失業率は5.0%と前月から▲0.1%pt低下した。失業者数は前月差▲0.7万人と、小幅な減少に留まったが、非労働力人口が同▲9.7万人減少、就業者数は同+32.0万人増加しており、非労働力人口の就業が進んだことで失業率が低下した。
◆民間部門の平均時給は前月比+0.4%となり、市場予想を上回った。また、前年比で見た時給変化率は+2.5%と、2009年7月以来の高い伸びとなった。今後の賃金上昇加速を期待させる結果であったと言える。
◆今回の雇用統計は、12月のFOMCで利上げを開始するのに十分な結果と言える。賃金上昇の加速が見られたことに加えて、ヘッドラインが市場予想から大きく上振れし、12月利上げ開始に対する市場の織り込みが進んだことも好材料である。12月利上げ開始という従来の見方に変更はない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
FOMC 0.25%pt利下げとQT一部停止を決定
先行きは過度な利下げ期待は禁物
2025年10月30日
-
トランプ2.0で加速する人手不足を克服できるか
~投資増による生産性向上への期待と課題~『大和総研調査季報』2025年秋季号(Vol.60)掲載
2025年10月24日
-
米国経済見通し 過去とは異なる政府閉鎖
政府閉鎖による悪影響は従来よりも長期化する恐れ
2025年10月21日

