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米経済見通し 再び繰り返される下方修正の動き

高まるFiscal Cliff のリスク

2012年06月20日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 近藤 智也

サマリー

◆2012年Q1の実質GDP成長率は再び1%台に戻ってしまったが、加えて、足もと1ヶ月間に発表された経済指標は総じて予想を下回るケースが多い。もともと国内的には暖冬などによって、一時的に押し上げられていた部分が剥落し実態が分かりにくくなっていた。欧州の債務危機がギリシャからスペインに波及する状況に至り、Fedが言及する“著しい下ブレリスク”は容易に解消しないだろう。また、ブッシュ減税の終了や強制歳出カットの開始といった国内の2013年問題も、“財政の崖”として徐々にクローズアップされている。ただ、選挙を控えているために早期決着は望めず、崖から転落するかどうかはぎりぎりの対応になる可能性を覚悟しておく必要があるだろう。

◆内外の先行きに対する不透明さが企業や家計のマインドや実際の行動の重しになることは避けられず、設備投資や採用などの計画は慎重になろう。4~5月の雇用統計の結果は見通しの下方修正の動きを加速させ、景況感や生産活動は雇用環境の改善の急ブレーキを裏付けている。また、家計部門でも、雇用・所得見通しへの期待がマインドを支えていたが、修正を余儀なくされている可能性がある。実際の消費支出は、ガソリン価格の下落というプラス材料があるにもかかわらず、鈍化傾向にある。唯一、住宅市場は底堅く推移しているものの、2010年、2011年に続く3度目の下方修正の動きに抗うほどのインパクトは残念ながら持ち合わせていない。

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