日本経済見通し:「アベノミクス」の効果もあり、景気回復局面へ

「欧州ソブリン危機」再燃などのリスク要因に要注意

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2013年03月19日

  • 調査本部 副理事長 兼 専務取締役 調査本部長 チーフエコノミスト 熊谷 亮丸

サマリー

経済見通しを修正:2012年10-12月期GDP二次速報を受け、2012-14年度の成長率見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2012年度が前年度比+1.0%(前回:同+0.9%)、2013年度が同+2.7%(同:同+2.7%)、2014年度が同+0.4%(同:同+0.4%)である(→詳細は、熊谷亮丸他「第176回日本経済予測(改訂版)」(2013年3月8日)参照)。


日本経済のメインシナリオ:日本経済は2012年3月をピークに景気後退局面に入ったものの、2012年11月をボトムに景気は底入れしたとみられる。今後に関しても、日本経済は、①米国・中国経済の持ち直し、②復興需要の継続や大型補正予算の編成、③日銀の「インフレ目標」導入を受けた円安・株高の進行、などに支えられて景気拡大が継続する見通しである。上記③に関連して、当社は、現状の為替市場は過度な円高を修正する局面にあると捉えている。また、実体経済との比較からは、現状の株価が依然として過小評価された水準にある可能性が示唆される。


日本経済のリスク要因:今後の日本経済のリスク要因としては、①イタリア・スペインの政局不安などをきっかけとする「欧州ソブリン危機」の再燃、②日中関係の悪化、③米国の財政問題、④地政学的リスクを背景とする原油価格の高騰、の4点に留意が必要である。

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