サマリー
◆2026年9月日銀短観では、大企業製造業の業況判断DI(最近)は+24%pt(前回差+2%pt)に改善した一方、大企業非製造業は+35%pt(同▲2%pt)へと悪化した。製造業では、旺盛なAI関連需要が景況感を押し上げた。非製造業では、燃料費や人件費などのコスト増が重石となり、「宿泊・飲食サービス」や「小売」など個人消費に関連する業種を中心に業況が悪化した。
◆業況判断DI(先行き)は、大企業製造業で+21%pt(今回差▲3%pt)、大企業非製造業で+30%pt(同▲5%pt)といずれも悪化が見込まれている。中東情勢に収束の兆しが見られないなか、原油価格の高止まりに伴うコスト増への懸念や、金利上昇による資金調達コスト増大や需要の下押しへの警戒感から、幅広い業種で慎重な見方が広がった。
◆2026年度の設備投資計画(全規模全産業、含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は前年度比+7.6%へと上方修正されたが、おおむね例年通りの修正幅だった。省力化投資や更新投資、能力増強投資等への意欲は引き続き強いとみられ、大企業では製造業・非製造業ともに前年度比2桁増の計画が維持されたほか、中小企業でも、非製造業を中心に前回調査から上方修正された。
◆企業の販売価格の見通しと物価全般の見通しはいずれも高水準にあり、企業の価格設定行動は今後も積極的な状態が続くとみられる。資金繰り判断DI(最近)や金融機関の貸出態度判断DI(最近)は横ばい圏で推移しており、金融環境はおおむね緩和的な状態が維持されているといえる。もっとも、借入金利水準判断DI(最近)は大企業・中小企業ともに上昇し、先行きも一段の上昇が見込まれるなど、利上げの影響が企業にも広がりつつある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
「一度出せば足りる」統計へ
公的統計のデジタル化を問う②-負担軽減の「実装」
2026年10月22日
-
2026年9月貿易統計
AI関連輸出は堅調も、原油高などで貿易赤字が継続
2026年10月21日
-
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

