サマリー
◆9月初めに1ドル=160円台だったドル円レートは一時152円台まで円高ドル安が進んだ。10円の円高ドル安は実質GDPを0.16%程度押し下げるが、主因はインバウンド需要の減少や負の資産効果で、輸入物価の低下などを通じて多くの企業や家計にとってはプラスとみられる。経済全体の観点から望ましいのは、円高そのものではなく、相対的な物価や金利などのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に沿った安定的な為替相場だ。歴史的な円安の修正が緩やかに進むのであれば、企業収益への影響を抑えつつ、物価上昇圧力を和らげ、内需の持続性を高めることが期待される。
◆ドル円レートの動きは日米の実質金利差で説明されることが多いが、2025年秋以降は両者の関係が薄れ、実質金利差が縮小傾向にある中で円安ドル高が進んだ。だが、直近では日銀の利上げ加速観測が強まり、日本の金利面からの円高圧力が高まったことで、ドル円レートと実質金利差との関係が再び強まった可能性がある。仮に2025年夏頃まで見られた両者の関係が回復すると、ドル円レートは1ドル=140円台を割り込む可能性もあるだろう。
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